Black Knight - ブラックナイト

「金目のもの」と喜んび勇んで手を伸ばすのだが、自身が堀の中に落ちてしまい、再度浮き上がったときには１３２８年のイングランドにタイムスリップしていた。

当初は、ライバルのテーマ・パーク「キャッスル・ワールド」に迷い込んだものと思っていたジャマールだったが、公開処刑に立会い、切り落とされた首が自分の足元に転がって来る至って、やっと自分の境遇に気付く。

手違いからレオ王の娘レジーナ王女のフィアンセであるノルマンディー公の特使と間違われ、手厚い歓待を受けることになったジャマールだったが、実は堀で拾ったペンダントは簒奪者であるレオ王に対するレジスタンスの証。

レジスタンスのメンバーに協力を求められても、元の世界に一刻も早く帰りたいだけだったジャマールだったが、ある日、貧しい農夫の犯した蕪ら一つの盗みに対して一家全員の処刑を命じるレオ王の専横ぶりを目にし、レオ王打倒の戦いに加わっていくことになるのだった・・・

例えば、無二の親友となったノルティ卿は、反乱軍を率いての決戦に際してジャマールに甲冑一式を贈るのだが、ジャマールのほうはというとPUMA のスニーカーをプレゼント。そしてそのスニーカーは、歴戦の騎士をして見事なフットワークを生み出させるのだ。

また、ジャマールは宴席においてレオ王からダンスを披露しろと命じられるのだが、苦慮した結果、こともあろうに宮廷楽団を指導してスライ・アンド・ファミリー・ストーンの"Dance to the Music"を演奏させる。そしてこれがまたホール全体を熱狂の渦に巻き込む。

全体はコメディ調に包まれているが、レオに王位簒奪を許してしまったことに自責の念を感じ、世捨て人となっていたノルティ卿がジャマールとの出会いで自らを取り戻し、ジャマールのほうもノルティ卿達を通じて利他的な精神を学ぶ部分も見所となっている。

タイトルである「ブラックナイト」が、単に黒人の騎士を意味せず、ダブル・ミーニングとなっている点も捻りが効いていて面白い。