Elfgift / Elfking - エルフギフト

本書はゲルマン神話のオーディンやワルキューレなどが登場する幻想的なものではあるが、ローマ軍団が撤退した後の南イングランドに入植したサクソン人王家の骨肉の争いを描いた歴史小説的な側面もあるため、時代がかった雰囲気を漂わせる装画が良く似合うように思う。

原著の装丁画はコミック調となっているが、著者に選択権があったなら、この日本版を採用したいと言ったのではないだろうか。

ただし、装丁画の淡白さとは裏腹に、報復が報復を呼ぶ血生臭い物語となっているため、そのギャップに違和感を感じる読者もいるかも知れない。